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実家の母の“怖い朝”から始まった【防犯カメラ、どれがいい?防犯対策の話】

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防犯カメラの選び方と設置ポイント|母の「ある朝の出来事」から考えた

■ 静かな朝に、不意の恐怖

数か月前のことでした。
朝8時前、スマホが鳴りました。発信元は実家の母。
こんなに早い時間に母から電話が来ることなんて滅多にありません。

私は、何かあったなと直感的に分かりました。
受話口から聞こえてきたのは、明らかに張り詰めた声でした。

「ちょっと、聞いてくれる……? 今朝ね、カーテン開けたら……知らない男が、うちの駐車場に立ってたの……」

え? どういうこと?
詳しく聞くと、その男は、母の車の前に立ち、じっと車内を覗き込んでいたそうです。
エンジン音もしない、ただの静寂の中で、不気味な沈黙のまま男は立っていたと。
幸い、母は駐車場から一番遠い部屋のカーテンを開けたときに現場を見たとのことで、その男はこちらに気付いていない様子だったとのこと。

父を起こし、すぐに110番通報。男はその後、足早に立ち去り、警察が来たときにはもういなかったそうです。

「周辺のパトロールをしばらく強化します」と警察は言ってくれたけれど、母の声からは、今までにない不安がにじんでいました。


■ 「まさかうちが…」が、今は通用しない

地方の一軒家、庭と駐車場がある静かな住宅地。
近所づきあいもそれなりにあり、「ここは安全」と、ずっと思っていた場所。
でも、今の時代、「安全」は過去の話なのかもしれません。
想像したくないことですが、空き巣、車上荒らし、ストーカー――何が起こるかわからないのが、現実です。

その日を境に、母と何度も話すようになったのが「防犯」について。
そして自然と話は、「防犯カメラ、つけようか」という流れになりました。


■ 調べてわかった、現代の防犯カメラは“ただのカメラ”ではなかった

昔の防犯カメラといえば、録画だけしてくれる「目」としての役割がメインでした。
でも今はまったく違います。
スマホと連動、リアルタイムで映像確認、動きを検知すれば通知、さらにはマイク付きで声かけまでできる――。

もうこれ、カメラというより小型のITセキュリティ端末です。
便利だけれど、母には難しいだろうなというのが第一印象。

そして、そこそこ高い。数千円のものもあれば、家庭用でも2万円超えはザラ。
設置に工事が必要なものもあり、導入のハードルはなかなか高めです。


■ 防犯カメラを選ぶときに考えたこと

機能の豊富さに驚きつつ、私たちが実際に考えたポイントは以下のようなものでした。

  • 目的はなにか? 抑止力?証拠の記録?見守り?

  • 画質 夜でも見える?粗くて誰だか分からない映像では意味がない

  • 録画方式 クラウドかSDか、保存期間は?

  • 通知機能 スマホで異常に気づけると便利だけど、母に扱えるか?

  • 設置性 Wi-Fi?配線?自分たちでできる?

  • 費用感 高ければ安心というわけでもない。バランス重視。

どれも重要だけれど、「誰が使うか」「何を目的とするか」で、必要な機能は大きく変わるんだなと実感しました。


■ 母のひとことが、すべてを変えた

「でもさ、あんた……そんなの、私使える気しないわよ……」

そう。そもそもに仕様やロジックを理解しないと使いこなすことはできません。
機能が多い=安心ではなく、扱えるものが“実際に守ってくれるもの”なんだと気づかされました。


■ 最終的に選んだのは……ダミーカメラ

色々見比べ、悩みに悩んだ末――
私たちが選んだのは、なんと「ダミーカメラ」。
赤いLEDが点滅し、パッと見た感じは本物そっくり。
さらに「防犯カメラ作動中」のステッカーもセットで購入し、しっかりと玄関と駐車場に設置。

「これ、意外と効果あるって書いてあるしね!」と、母もまんざらではない様子。
“見られているかもしれない”という意識を与えるだけでも、抑止力になるそうです。


■ まとめ:できる範囲で、防犯意識を持つことが一番の防御

本格的な防犯カメラは確かに心強い。
でもそれが負担になるようなら、まずは「見せる防犯」でも十分。
大切なのは、「自分の家は守るんだ」という意識を持ち続けること。
完璧じゃなくても、何もしていないよりずっといい。


■ エピローグ:今朝も、カーテンを開ける前に

ダミーカメラを設置した日、私は実家に泊まりました。

朝が来て母がカーテンを開けるとき、少しだけ間を置きました。
「今日は誰もいないわね」
そうつぶやいてから、小さく安心した顔をして笑っていたのが印象的です。

静かに点滅するダミーカメラの赤い光の下、母の日常は、少しだけ守られている気がします。

 


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