モノと記憶と、少しの学びblog

モノと記憶のよもやま話

王道もいい、街ブラもいい。ホテルの泊まり方あれこれ体験記

ホテルの泊まり方あれこれ ~旅が教えてくれた、新しい楽しみ方~

ゴールデンウィーク
この響きだけで、心が浮き立つ。
春の陽気とともに訪れる、大人にとってのささやかなご褒美。
そして我が家でも、毎年恒例の「家族旅行」が待っていた。

子どもたちにとっても、妻にとっても、そしてもちろん私にとっても、
年に数回のこの連休は、心と体を解きほぐす大切な時間だ。

旅行先を選ぶ時、私たち家族が一番重視するのは、やはり「温泉」。
湯煙に包まれて旅の疲れを癒し、
その土地ならではの味覚に舌鼓を打つ。
これこそが旅の醍醐味。
毎年、迷うことなく「温泉&食事付きプラン」を選んできた。

しかし、今年は少し事情が違った。


予約難民のゴールデンウィーク

いつもなら早めに動くところを、
今年は少し油断してしまった。
2月に入ってから「そろそろ旅の計画を立てようか」と
宿探しを始めたのだが、
気付けば、どこも満室、満室、満室。

行きたいレジャー施設の近くという制約もあって、
探す範囲は限られる。
それでもかなり広範囲に車移動圏を広げたが、
結果は芳しくなかった。

ゴールデンウィーク、恐るべし……」

毎年のこととはいえ、改めてその破壊力に圧倒された。


出会った「素泊まりプラン」という選択

そんな中、奇跡的に予約が取れたのが、
「部屋に温泉付き、素泊まりプラン」の旅館だった。

正直、最初は少し不安だった。
子どもたちは食事も旅の楽しみのひとつにしている。
特にバイキング形式の夕食は、彼らにとっては小さな祭りだ。
「好きなものを好きなだけ食べられる」という魔法の響きが、
どれだけ彼らをワクワクさせてきたことか。

それが、今回はない。

しかし、考え方を少し変えてみた。
「街ブラしながら夕食を探すのも、
その街を知るいい機会になるんじゃないか?」

そう思うと、少し胸が高鳴った。
普段ならホテルの中だけで完結してしまう旅。
それを、外へ、街へ、広げてみる。
きっと、違った景色が見えるかもしれない。


街ブラ夕食の新たな発見

旅館にチェックインし、部屋付きの温泉に浸かる。
至福の時間だ。
部屋に引かれた温泉は贅沢そのもの。
誰にも邪魔されず、家族だけで気兼ねなく湯を楽しめる。
これはこれで、なかなかいい。

そして、夕食の時間。
家族でそろって旅館を出て、街へ繰り出した。

まだ宵の口。
街の明かりが、どこか優しく迎えてくれる。
少し歩くと、目に留まったのは
昔ながらの個人経営の焼肉屋だった。

引き戸を開けると、
「おう、いらっしゃい!」と、
大将らしき男性の明るい声。

店内は、地元の常連客たちで賑わっていた。
みんな顔見知りのようで、
「どうもどうも久しぶりです」
「元気だった?」
とあちこちで交わされる言葉が飛び交う。

その温かい空気に、自然と肩の力が抜けた。

そして、何よりも、肉がうまい。
炭火の香ばしい匂いと、ジューシーな味わいに、
子どもたちも大喜び。

「やっぱり、長く続く店には理由があるなぁ」
心からそう思った。


宿泊スタイルの違いを考える

旅館に戻り、温泉にもう一度浸かり、
布団に入る直前、ふと考えた。

「宿泊の楽しみ方にも、いろいろあるんだな」

今回の旅を通して、私の中に、
宿泊スタイルについて新たな整理ができた。


① 王道スタイル:ホテル完結型

まず一つ目は、これまで我が家が続けてきた王道スタイル。
宿に温泉も食事もすべて揃っていて、基本的にホテルから出ない。

・温泉で疲れを癒す
・館内で食事を楽しむ(バイキングが定番)
売店やゲームコーナーも巡って子どもたちも大満足

このスタイルはとにかく安心感がある
スケジュールも立てやすく、「食事どうしよう」と頭を悩ませることもない。

特に子連れには、このスタイルがベストな時も多い。


② 街ブラスタイル:素泊まり+街探検

今回のような素泊まりスタイル。

・温泉は宿で楽しみ
・食事は外へ探しに行く

これにはこれで、大きな魅力があった。

地域のリアルな暮らしに触れられる。
その土地の人々と交流できる。
街を歩きながら、「あ、この店面白そう!」と
偶然の出会いを楽しめる。

これこそ、旅の醍醐味だと思った。


③ ビジネスホテルスタイル:超節約型

三つ目に思い浮かぶのが、
ビジネスホテルに泊まる超節約スタイル。

・素泊まりが基本
・宿泊費が安いので、宿泊数を増やせる

例えば、当初一泊二日の予定だったものを、
予算次第で二泊三日にできるかもしれない。

もちろん、温泉はないことが多いが、その分、移動やレジャーに費用を回すことができる。

「旅は宿に泊まるためではなく、いろんな経験をするためのもの」

そんな割り切り方も、時にはいいのかもしれない。


旅に正解はない

今回の旅は、当初の不安を
圧倒的な「楽しかった!」に変えてくれた。

宿の選び方ひとつで、旅の表情はまったく変わる。
けれど、どれが正しいとか、どれが上だとか、そんなものはない。

その時々の状況、一緒に行く人、目的、そして「今」感じたいものによって、
最適なスタイルは変わるのだと思う。


最後に

「ホテルの泊まり方あれこれ」

今回の旅を通して、私は本当にそれを肌で感じた。

これからも、王道スタイルも楽しみたいし、街ブラスタイルも積極的に取り入れたい。
時には、ビジネスホテルで節約しながら、普段行けない場所まで足を延ばしてみるのもいいだろう。

旅は自由だ。
そして、旅は人を豊かにする。

次の連休も、またどんな「旅の形」に出会えるか、
今から楽しみでならない。