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モノと記憶のよもやま話

コードレス掃除機だけじゃない!“コードのない家電”がもたらす快適生活

コードレス家電が増えた背景と“自由”の価値

むかしむかしのお話。ファミコンの世界に夢中な私の耳に、「ブォーン……」という音が聞こえた瞬間、嫌な予感がしました。掃除機のモーター音が近づいてくる。だんだんと迫ってくるその音と共に現れる母の足。そして……。

ブチッ。電源コードが抜けました。

画面が真っ暗に。

「セーブしてないのに!!!」

――こんな出来事、昭和~平成初期の家庭では“あるある”だったのではないでしょうか。あの頃の家電には必ず「コード」がありました。部屋のレイアウト、動線、暮らしのペースさえも「コードの届く範囲」に支配されていたと言っても過言ではありません。

しかし今、令和の暮らしではその景色が一変しました。コードレス家電が次々と登場し、生活はぐっと“自由”になったのです。

■ どんなコードレス家電があるのか?

まずは現在の主なコードレス家電を挙げてみましょう。

  • コードレス掃除機(スティック型、ハンディ型)
    ダイソン、マキタ、アイリスオーヤマなどが有名。充電式で軽く、片手で操作できるモデルが人気。

  • コードレス扇風機・サーキュレーター
    キャンプやアウトドアでも活躍。USB充電で使える小型モデルも。

  • コードレスアイロン
    コードのねじれや引っ掛かりがなく、アイロンがけのストレスが激減。

  • コードレス電動ドライバー・工具類
    日曜大工やDIYで重宝。バッテリーの性能向上でプロも愛用。

  • コードレスケトル・コーヒーメーカー(充電式)
    ポータブルで、コンセントのない場所でも使える。キャンプ用にも最適。

  • コードレスヘアドライヤー・ヘアアイロン
    旅行や外出時に便利。最近は風量も強力になってきています。

このように、“コードレス”は掃除や料理、美容にまで広がっており、あらゆるシーンで私たちの暮らしを変えているのです。


■ なぜ今、コードレスなのか?

コードレス家電が増えた背景には、技術とライフスタイルの変化があります。

1. バッテリー技術の進化

リチウムイオン電池の高性能化により、小型でも大容量・長寿命なバッテリーが可能に。充電時間も短縮され、「使いたい時に使える」利便性が向上。

2. 生活空間の多様化

リモートワーク、ミニマリズム、キャンプ人気などにより、家庭内外問わず「どこでも使える家電」が求められるように。

3. デザイン・収納ニーズ

配線がごちゃごちゃせず、空間がスッキリ。収納しやすく、出し入れもラク

4. 安全性の向上

コードに足を引っかけて転倒する事故、子どもやペットがコードで遊ぶ事故などを未然に防げる。


■ コードレス家電の“自由”という価値

コードレスとは、単に“コードがない”というだけでなく、「場所に縛られない」という価値そのものです。

  • 掃除をしたいと思った時にすぐ使える自由
    コンセントを探す必要がない。

  • 空間を美しく保つ自由
    生活感が出にくく、コードに邪魔されないインテリア。

  • 時間を効率的に使う自由
    セットアップにかかる手間がなく、移動中でも使える。

  • 心のゆとりを生む自由
    子どもやペットの安全に配慮でき、安心感がある。

この「自由」は、現代人のストレスフルな生活の中で、実はとても大きな価値なのです。


■ メリットとデメリットは?

もちろんコードレスにも、良し悪しがあります。

項目 メリット デメリット
操作性 軽量で扱いやすい 充電が切れると使えない
デザイン 配線なしでスッキリ 本体サイズがやや大きめのことも
利便性 持ち運び自由 長時間使用には不向きな製品も
保守性 コード断線の心配なし バッテリーの劣化が課題に

購入時には、「どの場面で」「どれくらいの時間」使用するかを見極めることが大切です。


■ 終わりに:コードがなくなると“繋がり”が増える?

コードレス家電が増えたことで、生活空間はより柔軟に、心地よくなりました。部屋の隅で掃除していたらコードが抜けた――なんて小さなストレスからも解放され、暮らしの質が確実に向上しています。

かつて、ファミコンの電源が突然落ちたあの瞬間を思い出しつつ、ふと感じました。

コードがなくなると、逆に「人との繋がり」や「時間との繋がり」が増えるのかもしれません。
暮らしの自由度が高まるということは、つまり、心の余白が増えることなのです。