梅雨の季節の必需品【傘にまつわるちょっとしたエピソード】
梅雨――それはしとしとと静かに、時にはざあざあと激しく降り続ける雨の季節。この時期、忘れてはならないパートナーが「傘」です。
私はふと思います。傘とは、人生の各ステージで静かに寄り添ってくれる相棒のような存在だと。実際、皆さんにも「思い出の傘」が一本はあるのではないでしょうか?
■ 子ども時代の黄色い傘
私の傘の思い出は、小学生時代にさかのぼります。黄色い傘。遠くからでも目立つその色は、通学路の安全のためのものでした。
雨が降るたび、私はその傘を「杖」のように地面について歩いていました。が、それが災いし、側溝の穴に傘の先がズボッと入り、ぐにゃり。傘の先端は見事に曲がり、家に帰ると母に「またやったの!?」と叱られたものです。
■ 折り畳み傘との不器用な出会い
中学生になり、初めて「折り畳み傘」という存在を知った時の衝撃は今でも忘れられません。カバンに入る傘!持ち運べるなんて画期的!
でも、不器用な私は一度開いた折り畳み傘をきれいに戻せず、いつもカバンに無理やり詰め込む羽目に。結局、折り畳み傘の恩恵は半分くらいしか受けられていなかったように思います。
■ 高校時代の「ビニール傘カルチャー」
高校生になると、なぜか「ビニール傘=オシャレ」みたいな謎のカルチャーが一部で流行っていました。コンビニで買える手軽さ、透けて見えるおしゃれ感(?)。そんな理由からか、私もいつもビニール傘を持ち歩いていました。
■ 現代の多彩な傘事情
令和の今、街を見渡すと、実にさまざまな傘があふれています。私の子どもが持っている傘は、キャラクター付きで、なんと「耳」がついています(笑)。子どもが喜んで使っている姿を見ると、傘も時代とともに進化しているのだなと感じます。
中高年層が持っているのは、やたら骨の数が多くて頑丈そうな「高級傘」。風にも強そうで、持っているだけで大人の品格を感じさせます。
さらに最近では、大きいのにたたむと超コンパクトになる「進化系折り畳み傘」も人気。機能性と携帯性のバランスが絶妙です。
■ 傘のルーツって?
さて、ここで少し真面目な話を。
傘の歴史は古く、起源はおよそ4000年前の古代エジプトまで遡ると言われています。最初は「日差しを遮るため」の道具、つまり日傘として登場しました。中国では紙と竹を使った傘が発展し、日本にも奈良時代に伝わってきました。
当時の日本では、傘は高貴な人々の持ち物で、特別な儀式や行事で使われるものでした。庶民が自由に使えるようになったのは江戸時代から。油紙を使った和傘が庶民の間でも広まりました。
■ 現代の傘の種類と特徴
ここで、現代の代表的な傘のタイプをいくつかご紹介しましょう。
● 長傘
特徴:一体型で頑丈。風にも強い。
用途:日常使い、特に強風や豪雨の日に最適。
おすすめの人:荷物が少なめで、しっかりした傘を持ち歩きたい人。
● 折り畳み傘
特徴:持ち運びやすいが、風に弱いことも。
用途:外出先での急な雨に備えて。
おすすめの人:通勤・通学などカバンに常備したい人。
● 自動開閉式傘
特徴:ワンタッチで開閉できて便利。
用途:手がふさがっている時や、電車の乗降時に。
おすすめの人:機能性を重視する忙しいビジネスパーソン。
● 日傘
特徴:紫外線を防ぐ。UVカット素材を使用。
用途:晴天時の紫外線対策に。
おすすめの人:美容や健康を気にする方。
● 高機能傘(風に強い・超軽量・逆折りタイプなど)
特徴:風にあおられにくい、撥水性が高い、たたみやすいなど多機能。
用途:台風や強風の多い地域での使用に最適。
おすすめの人:とにかく「傘にこだわりたい」人。
■ 傘って、実は日常にとけこんでいる「小さな個性」
傘って、実は日常の中の小さなファッションアイテムであり、生活道具であり、個性を表す道具でもあるんです。
選ぶ色、形、大きさ、機能性――。どんな傘を選ぶかは、持ち主のセンスが光る部分でもありますよね。
■ おわりに
雨の日だけでなく、晴れの日にも活躍する傘。今では便利でおしゃれな傘がたくさん登場し、選ぶ楽しみも広がっています。
昔の思い出をたどりながら、改めて「自分にぴったりの傘」を見つけてみてはいかがでしょうか?梅雨の季節、心晴れやかに過ごすための“相棒”を、ぜひ大切に。