家電レンタル vs 購入|どちらが得か?
家電の「持つ」時代から「使う」時代へ?
「家電は買うもの」──そんな価値観が当たり前だったのは、少し前までの話です。
最近は、家電製品を「レンタルする」という選択肢が、じわじわと広がってきています。特に、引っ越しが多い単身世帯や若い世代を中心に、手軽に家電を使えるレンタルサービスの利用者が増えているのです。
でも、ここで一つの疑問が浮かびます。
「結局、レンタルと購入、どっちが得なの?」
この問いに正解はあるのでしょうか?
本記事では、家電レンタルと購入のそれぞれのメリット・デメリットを比較し、どんな人にどちらの選択肢が向いているのかを解説していきます。
家電レンタルとは?どんなサービス?
家電レンタルとは、その名の通り、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電を、一定期間・一定料金で借りて使うサービスです。
仕組み
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月額制:1ヶ月ごとに料金を支払う形が主流。
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契約期間の選択:短期(1ヶ月~)から長期(2~3年)まで選べる。
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延長・交換・買取も可能:気に入ったらそのまま買い取れるサービスも。
主な提供会社
〇 Rentio(レンティオ):最新家電やカメラ、美容家電に強い
〇 CLAS(クラス):家具と家電のセットが人気
〇 かして!どっとこむ:引っ越し時の短期レンタルに定評あり
借りられる家電の例
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生活家電:冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機
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季節家電:エアコン、加湿器、ヒーター
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美容家電:美顔器、ドライヤー
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ガジェット類:プロジェクター、VR機器、ロボット掃除機など
最新モデルが選べたり、短期だけ借りられたりする自由度が魅力です。
購入との違い:コスト・利便性・自由度
では、購入とレンタルでは何がどう違うのでしょうか?以下に代表的な項目で比較してみましょう。
項目 | 家電レンタル | 家電購入 |
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初期費用 | 原則ゼロ〜数千円 | 高い(数万〜十数万円) |
修理・保証対応 | 多くはレンタル会社が無料対応 | 保証期間外は自己負担 |
最新モデルへの更新 | 比較的容易に交換・乗り換え可 | 新たに購入が必要 |
所有権 | なし(あくまで借り物) | あり(自由に使える資産) |
長期利用 | コスパが悪くなる可能性あり | 使えば使うほどお得 |
引越しや廃棄対応 | 返却だけでOK(楽) | 運搬や処分の手間と費用 |
短期であれば圧倒的にレンタルが楽。長期になるほど、購入のコストメリットが光ります。
こんな人は「レンタル」が向いている
レンタルは“所有すること”より“使いたい時だけ使う”という発想に合った選択です。以下のような人には特におすすめです。
① 単身赴任や学生の一人暮らし
短期的な生活環境に、家電をわざわざ買って揃えるのはコストがかさみます。レンタルなら引越しの手間も減り、必要な家電だけ揃えることが可能です。
② 試しに使ってみたい人
たとえば「最新のロボット掃除機ってどうなの?」という時に、いきなり買うよりレンタルで試すほうが合理的。気に入らなければ返却、気に入ればそのまま買取もできます。
③ 機種をどんどん変えたい人
美容家電や調理家電、ガジェットが好きで、定期的に新しい製品を使いたい人にはレンタルが最適です。
④ 所有にこだわらないミニマリスト
「持たない暮らし」「シンプルライフ」を目指す人にとって、レンタルは非常に相性が良いです。
こんな人は「購入」が向いている
一方で、次のような人には購入の方が圧倒的におすすめです。
① 家族で暮らしている人
冷蔵庫や洗濯機などを毎日使う家庭では、長期的に見て購入のほうがはるかに経済的です。
② 使用頻度が高い人
「毎日炊飯器を使う」「毎朝トーストを焼く」など、日常的に家電を使うなら、レンタルのコスパは悪くなりがちです。
③ 固定費を減らしたい人
レンタルは月々の費用がかかり続けます。固定費を極力抑えたい人にとっては、購入して一度で済ませる方がストレスが少ないでしょう。
④ 中古でも気にしない人
型落ちや中古家電でも十分という価値観の人にとって、レンタルで最新を追う必要はなく、費用面での購入メリットが際立ちます。
シミュレーション比較:冷蔵庫・洗濯機の場合
最後に、代表的な大型家電の一例で、実際にレンタルと購入のコストをシミュレーションしてみましょう。
● 購入の場合(冷蔵庫)
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購入価格:80,000円
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使用期間:5年間
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年間コスト:約16,000円
● レンタルの場合(冷蔵庫)
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月額:2,500円
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使用期間:5年間(60ヶ月)
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総額:150,000円
→ 結論:
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短期(半年~1年以内)ならレンタルが圧倒的にお得
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長期(3年~)になると購入が断然コスパ良し
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「壊れた時の対応」「返却の手間」「気軽さ」も加味して判断するのが重要です
まとめ:得か損かは「ライフスタイル次第」
「家電レンタル vs 購入」──答えは一つではありません。
ライフスタイルによって、“どちらが得か”はまったく変わってきます。
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短期利用 × 持たない暮らし → レンタルが得
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長期利用 × 所有志向 → 購入が得
現代は「所有しない」時代とも言われています。とはいえ、家電は日常生活を支える重要な存在。自分の暮らし方・考え方に合った選択をすることが、結果的に「得」になるのです。
最後に言えるのは――
「家電をどう手に入れるか」より、「家電でどう快適に暮らすか」のほうが、よっぽど大切かもしれませんね。