🌿6月を深掘りしてみた|春でも夏でもない、曖昧なこの季節の正体とは?
あなたは6月という月に、どんなイメージを持っていますか?
ジューンブライド、梅雨、衣替え…。
なんとなく“初夏”のような雰囲気もあれば、どこか春の名残を感じる瞬間もあって、「いったい何の季節なんだろう?」と迷ってしまうことはありませんか?
私自身、6月には“どっちつかず”の印象を持っています。
服装に迷い、天気に翻弄され、体調も揺らぎがち。それでも、6月には6月にしかない特別な空気感があります。
今回は、そんな6月という月を、暦・気象・文化の3つの視点から深掘りしてみたいと思います。
📅暦のうえでは「夏」
日本の伝統的な暦である「二十四節気」では、6月はまぎれもなく“夏の始まり”に位置づけられています。
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6月上旬:芒種(ぼうしゅ)
稲や麦など、穂の出る植物を植える時期。田植えの季節として、農業的には“夏の始動”を意味します。 -
6月下旬:夏至(げし)
1年でもっとも昼が長く、夜が短い日。文字通り“夏に至る”時期。太陽が高く、日差しも強くなってくる頃です。
つまり、暦の上では6月はれっきとした「夏」。
しかし、体感的にはそこまでの“夏らしさ”を感じられない人も多いのではないでしょうか?
☀気象庁の分類でも「夏」
日本の気象庁では、季節を以下のように区分しています。
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春:3月〜5月
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夏:6月〜8月
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秋:9月〜11月
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冬:12月〜2月
この分類から見ても、6月は「夏」に含まれます。
とはいえ、6月は梅雨の季節でもあり、本格的な夏とは異なる特性があります。
気温はじわじわと上がりはじめるものの、湿度が高く、空模様も不安定。
「晴れたら暑い、でも基本はジメジメしてる」という、独特の気候が6月の特徴です。
☔④ 梅雨という特別な季節感
6月といえば、やはり「梅雨(つゆ)」。
梅雨は、日本の季節の中でも最も“情緒”があると感じる人も少なくありません。
雨がしとしとと降り続く中、紫陽花が色づき、かたつむりが這い、カエルの鳴き声が遠くに聞こえる――。
何も予定がない休日、窓を打つ雨音を聞きながら読書や映画鑑賞を楽しむのも、梅雨ならではの過ごし方です。
ただし、現実問題としては「洗濯物が乾かない」「カビが生えやすい」「気圧の変化で頭痛や倦怠感が出る」など、生活に影響する困りごとも多くなります。
それでも、梅雨があるからこそ、日本の農業は成り立ち、自然のバランスが保たれているとも言えます。
まさに“鬱陶しいけど、なくてはならない存在”――それが梅雨なのです。
また、雨の日のおしゃれにこだわる人も増えています。
カラフルな傘、機能性レインコート、おしゃれなレインブーツ。
“雨の日ファッション”を楽しめるかどうかで、6月の印象は大きく変わるかもしれません。
💍⑤ ジューンブライドというロマン
6月といえば、もうひとつ忘れてはならないのが「ジューンブライド(June Bride)」。
この言葉を耳にするだけで、なんとなく幸せなイメージが湧いてきませんか?
ジューンブライドの由来は、ヨーロッパの古い言い伝えにあります。
ローマ神話の結婚の女神「ユノ(Juno)」が守護する月が6月であり、
この月に結婚すると「一生幸せになれる」と信じられていたのです。
この言い伝えが日本に入ってきたのは昭和時代。
当時、梅雨の時期で結婚式の件数が減ることを懸念したブライダル業界が、この言葉を広めました。
それが功を奏し、現在では「6月の花嫁=幸せの象徴」というイメージが定着しました。
また、現代のカップルにとっては、雨の中の結婚式も一つの思い出として人気があります。
「雨降って地固まる」ということわざのように、雨は“良い兆し”として受け止められることも。
写真に映る雨粒とウェディングドレスの組み合わせは、逆に幻想的な美しさすら感じさせます。
6月に結婚式を挙げるというのは、
ただの季節の選択以上に「幸福を願う強い気持ち」や「自然とともに歩む」という意味が込められているのかもしれません。
🌱なぜ「どっちつかず」に感じるのか?
6月が“曖昧”に感じられる理由には、いくつかの要素が絡んでいます。
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春の名残:朝晩はまだ肌寒い日もあり、羽織が手放せない
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夏の兆し:日中は真夏のように暑くなり、半袖で過ごす日も
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季節行事的にも中間:衣替えや夏至といった“季節をまたぐ行事”がある
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体感の揺らぎ:気温差・気圧差・湿度の変動が激しく、体も心もついていかない
つまり、6月は季節の端境期(はざかいき)。
季節のバトンタッチが行われる中間地点のような存在なのです。
📝まとめ:6月とは、こんな季節
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暦や気象庁の分類ではれっきとした“夏”
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でも、体感的には「春と夏のはざま」にある不思議な月
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「梅雨」という湿度と情緒の象徴があり、
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「ジューンブライド」という幸福の文化も根付いている
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あいまいで掴みどころのない季節だからこそ、人の心に残る
そんな6月を、今年は少し意識して過ごしてみるのも良いかもしれません。
曖昧さを受け入れ、季節の変わり目を味わう――それが、6月という季節の醍醐味なのです。