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“想定外”が毎年起こる日本──災害列島に暮らすということ

地震、台風、豪雪、火山…私たちはどう備えるべきか

1. はじめに

日本は自然災害が多い国である。地震、台風、豪雪、火山の噴火、さらには大雨や津波など、毎年何らかの形で“想定外”の事態が発生している。これらの災害は日本の地理的・気候的な特徴に起因しており、災害大国としての歴史も深い。自然災害の多さに対して、私たちはどのように備えるべきか。災害は「予測できるもの」と「予測できないもの」に大別されるが、どちらにしても「備えあれば憂いなし」という言葉が示す通り、準備が命を守ることになる。近年では、情報技術の進化によって、予測や警報が発表される機会が増えているが、それでも「想定外」は常に私たちを脅かす存在である。

2. 地震

日本は「環太平洋火山帯」に位置しており、地震活動が活発な地域に属する。これにより、地震は日本で最も身近な自然災害の一つとなっている。過去の歴史を振り返ると、関東大震災東日本大震災など、巨大地震がいくつも発生しており、その規模と被害は計り知れない。これらの地震は、「想定外」と呼ばれるほど予測を超えたものだったが、どれも備えと適切な対応によって被害を減少させることができた例もある。

地震が発生した際に私たちがまず意識すべきは、「揺れに対する適切な行動」と「建物の耐震性」である。自宅や職場での家具の固定や、耐震性のある家屋の選定が重要な対策となる。もし地震が起きた際には、まず自分の身を守る行動、例えば机の下に隠れる、頭を守ることが命を守る。さらに、震災後の避難経路や避難所の確認も日常的に行っておくべきだ。

3. 台風

台風は毎年夏から秋にかけて日本を襲う。特に九州や沖縄地方では、その影響が甚大となることが多い。近年では、台風が大型化・強化し、予測される被害の規模も大きくなっている。例えば、2018年の台風21号では、関西空港の閉鎖や大規模な停電が発生し、数日間にわたって生活基盤が脅かされる事態となった。

台風に備えるための対策としては、まずは早期の情報収集が挙げられる。気象庁自治体が発信する情報に従い、台風の進行方向を確認することが基本だ。特に避難所の場所や、家庭の備蓄状況、非常用持ち出し袋の確認は重要である。さらに、家屋や窓の補強、屋外の飛ばされやすい物の片付けなど、事前の準備が台風による被害を最小限に抑えるカギとなる。

4. 豪雪

日本の冬は、特に北日本中部地方で厳しくなる。豪雪地域では、毎年大雪による被害が報告されている。雪により、交通の麻痺や停電、さらに雪崩などの二次災害が引き起こされることがある。大雪が降るたびに、記録的な積雪量を更新し、地域の生活に深刻な影響を与えることが多い。

豪雪に備えるためには、まずは雪かき道具を準備し、日常的に家屋の屋根に積もった雪を取り除く習慣をつけることが大切だ。また、停電時に備えて予備の電池や暖房器具を用意することも重要である。家の中でできる防寒対策としては、重ね着や毛布、また暖房の効率的な利用が求められる。雪が降り続ける期間は、外出を控え、積雪がある場所では歩行や車の移動にも細心の注意を払うべきである。

5. 火山

日本は活火山が多く、火山活動も頻繁に発生する地域である。特に桜島阿蘇山、富士山などはその活動が注視されており、噴火が起きた際の影響が大きい。火山の噴火により発生する火山灰は、空気や道路の状況を悪化させ、農作物に甚大な被害を与えることがある。また、溶岩流や噴石も人命を脅かす大きな危険因子となる。

火山に対する備えとしては、火山情報を常に確認し、噴火の可能性がある場合には速やかに避難する準備をすることが必要だ。特に火山灰は呼吸器に悪影響を与えるため、マスクや目を守るゴーグル、車両のフィルター清掃をしておくことが求められる。噴火が発生した場合、自治体の指示に従い、速やかに避難することが命を守る最良の方法となる。

6. 想定外の災害と私たちの備え

「想定外の災害」とは、予測を超えた規模で発生する災害を指すが、近年では、予測技術の向上や情報網の充実によって、早期の警報や避難指示が発令される機会が増えている。しかし、それでも「想定外」は存在する。想定外の災害に対して、私たちはどう備えればよいのか。

まず、災害に備える上で最も重要なのは、柔軟な対応力である。どれだけ予測し、準備をしても、予想を超える事態は発生する。そのため、冷静に状況を判断し、柔軟に行動することが求められる。さらに、災害時の心構えや心の準備も重要だ。過度に恐れるのではなく、適切な情報を基に行動し、被害を最小限に抑えることを目指すべきである。

また、地域社会との連携も忘れてはならない。災害時には、助け合いの精神が最も重要となる。地域の防災訓練に積極的に参加し、互いに助け合う体制を整えることで、災害後の復旧が迅速に進むだろう。

7. おわりに

日本における災害は、「想定外」が毎年のように発生する現実を抱えている。それに対して私たちは、十分な備えと冷静な判断力を持ち、いざという時に最善の行動ができるように日々準備を重ねる必要がある。災害は私たちの生活を脅かすものであり、対策を講じることは生命を守るための最も重要な手段だ。災害を恐れ、ただ防ぐのではなく、それを乗り越える力を持つ社会を作ることが、未来の日本にとって最も大切なことだろう。